2026-03-26

選択範囲の調整/Affinity3






オブジェクト選択ツールや選択ブラシツール、自動選択ツールなどで選択範囲を作成した後に使える「調整」パネルについて解説します。


「調整」は、各選択ツールを使っているとき、コンテクストツールバーの右側の方に表示されます。



とりあえず軽く使い方の例を出すと、以下のようなバナナの画像を切り抜きたいとき。

ピクセルペルソナから、ツール上から3番目「オブジェクト選択ツール」を選択。
(初回は設定から学習データのダウンロードが必要になります)



選択したいものを囲むようにドラッグ
(斜線が表示されたエリアが選択されます。うまく斜線が出ているなら、そのままクリックでも選択可)



動く点線で囲まれた、選択範囲が作成される



コンテクストツールバーにある「調整」を押して、その選択範囲を微調整する。



この「選択範囲の調整」パネルについて解説していきます。

マットエッジ



選択範囲を画像のコントラスト差がある部分に沿って作成します。
自動でフチを調整できるので、基本はチェックを入れておいた方がいいと思います。

細かく手動で調整したいときは、チェックを外してください。



プレビュー



選択範囲の表示方法をいろいろと変更できます。



通常時はオーバーレイにしておいて、うまく選択できているかいろいろと切り替えて確認するのをオススメします。

例えば背景を白にしたいときは「白マット」で自然に見えるか確認したり、
切り抜き合成したいときは、下のレイヤーに背景を置いておいて、「透明」にすれば、うまく切り抜けているか確認できます。

先ほどのマットエッジが上手くできているか、できていないか、「白黒」を選ぶと選択範囲が白と黒で表示されるので、ちゃんと選択できているか確認がしやすくなります。



選択範囲の境界が見やすいので、今後は「白黒」で解説します。

先に、下の調整ブラシの解説からしてきます。



マット



なぞった部分のコントラスト差を参考に、選択範囲を再調整してくれます。

たとえば、トマトのヘタ部分が上手く選択できていませんでした。
ヘタの先っぽが消えてしまっています。



「マット」を選択して、ヘタの部分をなぞると、境界線が再調整されてしっかり選択できます。



髪の毛や動物の毛など、細かいところを調整するのに便利です。
この「マット」でフチをなぞるって作業が「調整」のメインだったりします。

上半分の髪部分をなぞってみました。なぞるだけで、キレイに選択できてます。



正直、これだけできてれば後はオマケと言ってもいい(=・ω・=)

前景



基本「マット」で境界をなぞっていけばキレイに行くんですが、フチではなく、選択したい場所が選択されていない、という場所があったとします。

そんな時は「前景」を選んで、なぞってください。
なぞった部分が選択範囲として加えられます。





背景



背景は逆に、選択範囲から外したいところが選択されていたら、
「背景」を選択してなぞれば、選択範囲から外すことができます。



ぼかし



なぞったところをぼかすことができます。
ブラシサイズが大きいほど、大きくぼかすことができます。
自然にふんわり合成したいところなどをなぞってください。

ブラシサイズ



調整ブラシのブラシサイズを変更できます。



ちなみに、画面上でCtrl+Altを押しながらマウスを左右にドラッグすると、ブラシサイズを変更できます。
エンターキーの隣にある、 と  でもブラシサイズを変えられます。

ブラシ系共通のショートカットなので、覚えておくと便利です。

上のスライダー部分の解説に戻ります。



枠幅



選択範囲で作成した境界を中心として、内側外側、どのくらい輪郭検出する範囲を広げるか指定します。
現在選択している選択範囲から、どのくらい離れた場所まで調整範囲にするか。

細い髪などを検出したいときは10~30%にして、調整ブラシの「マット」で細かいところをなぞります。

枠幅を広げるほど、おおざっぱな選択範囲でも輪郭を拾いやすくなりますが、
不要な輪郭を拾ってしまったり、輪郭が不鮮明なところはぼやけてしまったりします。

基本小さめにしてあげたほうがいいかと思います。
デフォルトの10%で十分かと。



なめらか



境界線をなめらかにします。
ガタガタしたフチをキレイにできますが、その分細かいところが消えてしまったり、
端の細かいところの選択が上手くできなかったりするので、
なめらかを入れたときは後で細かいところを微調整する必要があります。

ここで微調整する手間をかけるぐらいだったら、パスを切った方がキレイだと思うので、
まん丸なオブジェクトを選択するとき以外、基本0でいいと思います。

パス切るほどじゃないけど、なめらかにしたーい! って時は、なめらかを入れてマスクを作った後、細かいところを手で塗ったりして微調整します。
特に選択範囲が食い込んでるところとか角ばっているところとかが、調整が必要です。



ぼかし



境界線をぼかすことができます。



ふんわりと溶け込ませたいときに使うといいかも?
一部だけぼかしたいときは、調整ブラシの「ぼかし」でなぞってください。



ランプ



境界線がはっきりしない部分を、内側に調整するか外側に調整するか指定します。
コントラストがきっちり分かれている部分は影響されません。

AIで作成した画像なので、リンゴとトマトの境界がはっきりせず、若干水彩っぽく背景に溶け込んでいます。
フチがはっきりせず、グラデーションっぽく背景とつながっていますよね?
そこを調整してくれる機能です。
マイナスにすれば内側に、プラスで外側に広がります。





白背景で撮影したものを切り抜いて黒背景に乗せるときなど、フチに白が残ってしまうときに
ランプをマイナスにすると、白フチを減らすことができます。



切り抜き前提の写真は大体フチがしっかり出るように撮影するハズなので、そうそうないとは思うけれど、
フチが背景に溶け込むような写真をくっきりキレイに切り抜きたい場合は
パスを切って、クリッピングパスで切り抜いた方がキレイに行きます。
自動選択の精度が低かった頃はみんな、パスで切り抜いてました。

ざっくり適当に切ったパスで申し訳ないけれど(=・ω・=)こんな感じ。
完璧境界が背景と溶けてる画像でも、パスで形を指定できます。
気持ちちょっと内側を切り抜いた方がキレイに行きやすいです。





今は自動選択が優秀なので、
撮影時の背景と合成する背景の色が極端に離れていて、なおかつフチが背景に溶け込んでいるときにだけ、クリッピングパスを使ってます。

あと、ほぼ直線でできている商品は背景関係なくパスで切り抜いてます。その方がキレイ。

ペンツールに慣れてない間は大変かもしれませんが、慣れると結構早くキレイに切り抜けるので、クリッピングパスでの切り抜きもおすすめします。

出力



選択



選択範囲を、調整した選択範囲にします。
選択範囲のまま終了する感じ。

マスク



選択範囲をマスクにします。
マスクは、黒く塗ったところが非表示、白く塗ったところが表示される機能です。

レイヤーを選択していた時は、そのレイヤーの子レイヤーとしてマスクが作成されます。



何のレイヤーも選択していない場合は、一番上にマスクレイヤーが作成されます。

マスクをもう一度微調整したいときは、マスクのサムネイル部分を右クリックして、「マスクの微調整」をクリックすると、もう一度微調整メニューに入れます……が、新しく作成したマスク選択範囲に対しての調整しかできないっぽい(´・ω・`)

前景背景で除いたやつが復活しちゃったりします。
マットエッジ外せばちょっとマシになるけど。



細かい調整は、マスクに直接描き込んだ方が早かったりします。

カラーの除染



フチにある色を取り除きます。

例えば、こんな感じに青い背景にバナナが置いてある画像があったとします。



切り抜くと背景色の青色がフチにちょっと残ってしまうんですが、「カラーの除染」にチェックを入れると、そのフチにある余計な青色を取ってくれます。



画像自体を加工して作成するので、「出力」メニューが変わります。



出力(カラー除染にチェック有)



新規除染済みレイヤー



フチの青色を取った切り抜き画像(ピクセルレイヤー)を作成します。
元のレイヤーは非表示になります。



マスク付き新規除染済みレイヤー



マスク付きの新規画像(ピクセルレイヤー)が作成されます。
元のレイヤーは非表示になります。



マスクを非表示にすると、元の画像に変更が加えられていることが確認できます。
選択範囲の境界にある色を外側に広げることで、フチの着色を消してます。



あくまで消せるのはフチの色だけなので、切り抜いたものの色の映り込みなどは、「特定色域の調整」レイヤーなどを使って調整するといいです。



シアンと青と緑のカラーを選択して、それぞれシアンを下げてマゼンタとイエローを上げてます。

知っておくと画像合成時のクオリティが上がるので、是非使いこなしてみて下さい。
少しでも参考になれば!(=・ω・=)✨