オーバープリントの設定・解除方法
自分で設定する方法
「ウィンドウ」→「属性」パネルで「塗りにオーバープリント」「線にオーバープリント」にチェックを入れることで設定できます。

……が、最近ほとんどの印刷所では「属性でオーバープリント設定をしないでください」と案内されています。
事故の原因になりますので、不要なオーバープリント設定はしないようにしましょう。
今はほとんどの印刷所が自動オーバープリントですので、「基本K100はオーバープリントされるものとして、不要な場所のオーバープリントを避ける」データの作り方が主流になります。
(印刷所によっては属性でオーバープリント設定をつけて下さいと指示されることもあります。入稿後に向こうが手動でつけてくれることもありますので、印刷所の指示に従って下さい)
自動オーバープリントを防ぐには?
自動オーバープリントを防ぐには、以下の方法があります。
1. K100%以外の黒を使う
K100%(C0 M0 Y0 K100)ではなく、「K99%」や、「C1 M0 Y0 K100」など、わずかにKの値を変えることで自動オーバープリントを回避できます。

自分は「K100% C1%」をよく使います。
2. リッチブラックを使う(これもK100%以外の黒)
写真の上に黒四角を乗せたいときなど、より濃いリッチブラックを使うと写真とも馴染みが良く、オーバープリントも防げます。
リッチブラックの数値は印刷所によって異なるので、印刷所のホームページなどを確認してください。
例:C30 M30 Y30 K100 など

※CMYK全部100%のレジストレーションカラーは、トンボ以外には使わないようにしましょう。インクが乾かず、汚れや裏写り、印刷トラブルの原因になります。トンボを触った後にオブジェクトを作ると、色が引き継がれてうっかり作ってしまいがちなので注意。
写真や背景に色が入っている時は、「K100% C1%」ではなくリッチブラックをよく使います。
というか、下に背景があるなしにかかわらず、ちょっと広い範囲に黒ベタを入れたいときはリッチブラックにしています。
K1色だと印刷したときに黒が薄く感じる、というのも有りますが、「ピンホール」と呼ばれる印刷の抜けが発生したときに、目立ちにくくなる利点があります。

リッチブラックなら、ピンホールが発生してもCMYが30%入っているので、目立ちにくくなります。
(できるだけベタ塗りのデザイン自体避ける用にはしてますが……)
ただ、黒四角の上に細い白文字を置くと、版ズレしたときに白文字のフチに他の色が出てきてしまうことがあります。

そんな時は、白文字のフチに0.1mmくらいのKのみ
のフチをつけておくと、周りのCMYが0.1mm控えられるので、版ズレしても目立ちにくくなります。
(線でつける場合は基準が中心になるので、0.2mmにして塗りの下に入れる)
黒フチの色は、自動オーバープリントがかからないよう、「K99」か、「K100% C1%」などにして下さい。
このように、印刷時の「版ズレ(見当ズレ)」によってできる隙間や白フチを目立たなくするよう、色同士の境界をわずかに重ねたり、フチをつけたりする処理のことを「トラッピング」と呼びます。

自動オーバープリントがかからない黒フチをつければ、黒以外のCMYが0.1mm外側に作られるので、版ズレしても目立たなくなります。


※線の設定で、線の位置を「線を外側にそろえる」にしたときは0.1mmで。

※塗りをもう一つ作って、パスのオフセットで0.1mm大きくしてもOKです。

CMYが0.1mmぐらい外側になるように作れればなんでもOKです。黒四角の周りも、オーバープリントがかからない黒で0.1mmフチをつけておくと安全です。
気を使うのは伸び縮みしやすいフィルムやラベル、白版や特色のときぐらいでしょうか。
そもそも、印刷会社さんのほうでこの作業をやってくれることも多いので……。
リッチブラック上の白文字に限らず、色が切り替わるところでいろんな処理があるので、詳しく知りたい方は「トラッピング」で検索すると、沼にハマれると思います。
3. 印刷所に指示を出す
入稿時に「自動オーバープリントをかけないでください」と明記することで、印刷所側での自動処理を防げる場合があります。
印刷所に寄りますので、確認をして下さい。
「オーバープリント設定は破棄して自動オーバープリントするよ」「オーバープリント設定は活かしたまま、さらに自動オーバープリントかけるよ」「もらったままの設定で出すよ」(後ろ2件がホワイトオーバープリントで白文字が消えやすい)など、印刷会社によって対応が様々なので、できるだけ印刷会社ごとに確認するようにしてください。
分版プレビューについて
印刷前に必ず「分版プレビュー」で、不自然な点はないか確認しましょう。
「表示」→「オーバープリントプレビュー」

各色のチェックをONOFFすることで、その色単体の出力結果を確認することができます。
オーバープリントプレビューで見るべきところは、黒い所と白い所です。
黒が透けていないか、白が消えていないか、チェックします。
※自動オーバープリントの所はチェックできません。
また、細かい文字がリッチブラックなどの掛けあわせの色で作られていると、版ズレの際に読みにくくなってしまいます。
細い文字は掛けあわせでなくK100で作るようにしましょう。
(CMYK全部入った茶色の細い文字も、版ズレしやすいので注意です)
分版プレビューをPDFで確認する方法
PDFでも、分版プレビューを確認することができます。
1.AcrobatProを開き、「すべてのツール」から「印刷工程を使用」をクリック。

2.「出力プレビュー」をクリック

3.「オーバープリントをシミュレート」にチェックを入れる

下のほうにある「色分解」のチェックをオンオフすることで、イラレの分版プレビューのように各版を見ることができます。

また、プレビューを「カラー警告」にし、「オーバープリントを表示」のチェックを入れると、オーバープリントが設定されている箇所を指定の色で表示することもできます。
分版プレビューで意図しない部分にオーバープリントがかかっていないか必ず確認しましょう。
おまけ オーバープリントと乗算って何が違うの?

- 乗算:上下のオブジェクトの色は「掛け合わせ」で計算され、重ねるほど色が暗くなります。
- オーバープリント:CMYK各版ごとに、上のオブジェクトのインクが0%なら下の色がそのまま印刷され、数値が入っていれば上の%が印刷されます。


上下逆にするとこんな感じ。

乗算は上下逆にしても結果変わらず。オーバープリントは大きく変わる。
似てますが全くの別物なので、乗算の代わりにオーバープリントを使うのはやめましょう。
オーバープリントの設定周りは、印刷所によって対応が違いますので、ホームページをよく確認するか、印刷所に問い合わせたうえで入稿するのが確実だと思います。
プリントパックなどの格安&完全データ入稿 のところは、自動オーバープリントでなおかつミスがあってもよっぽどのことじゃないと連絡をくれないので、自分でできるだけミスのないデータを作れるようにしましょう!(=・ω・=)
絶対にミスをしたくない、というときは印刷専門のデザイナーに頼んだり、お値段はかかりますが街のちいさな印刷所さんと相談しながら進めるのがオススメです。
自分も素人なので、間違っている場所がありましたらコメント頂けると嬉しいです(=・ω・=)
素人ながら印刷物を作りたいってかたに、少しでも参考になれば!(=・ω・=)✨