2025-11-03

スウォッチパネルについて/AffinityPhoto2・AffinityDesiner2



カラーパネルの次によく使う、スウォッチパネルについて解説します。
カラーパネルと重複するところの説明は省くので、先に「カラーパネル①」の解説を読んでいただけると嬉しいです。

カラーパネルはメニューの「ウィンドウ」-「スウォッチ」で表示できます。



境界線と塗りつぶしセレクター廻り/不透明度/最近使った色



カラーパネルと同じです。

塗りなし(色なし)・黒・グレー・白



それぞれの色のパレットが常に表示されています。便利。


パレット選択



登録されているパレットを選択できます。



注目すべきは、何といってもPantone(パントン/パントーン)です。
世界で使われている、共通の色のパレットです。
海外で印刷・商品作成するとき、「色をこれにしてね」と伝えるのに、だいたいPantoneが使われます。
Adobeで使えなくなってしまったPantoneが、AffinityDesignerではデフォルトで使えます!すごい!!

……と、テンション高く伝えましたが、実際に使うことはそうないでしょう(=・ω・=)
逆に日本でよく使われるDICが無いってのはデメリットかも。

後で説明しますが、自分オリジナルのパレットを作ると、ここから選ぶことができます。

現在の塗りつぶしをパレットに追加



現在アクティブな色をパレットの先頭に追加します。



スウォッチの色を使いたいときは、オブジェクトを選択して、スウォッチの好きな色をクリックすれば使えます。

スウォッチをダブルクリック(編集)



スウォッチをダブルクリックすると色を変えられます。
プルダウンから、カラーモードも変更できます。



パネル環境設定




グローバルカラーを追加



「グローバルカラー」を作成して、パレットに登録できます。

?(=・ω・=)グローバルカラーってなんぞ??

例えば、緑色がテーマカラーになっている推しが居て、推しカラーのグッズを作るとします。



無情なことに推し変が発生し、今度は赤色がテーマカラーの推しグッズを作りたくなりました。
緑色から赤色に変更したいのですが、いちいちオブジェクトを選択して色を変更するのは面倒ですよね?

そんな時、緑色を「グローバルカラー」として登録しておけば、パレットをダブルクリックして赤色に変更するだけで、色を一気に変更できます。

あら、便利!!



テーマカラーが決まっていない、または後で色変更が発生するかもしれないときに、グローバルカラーにしておけば修正が楽です。
WEBレイアウト作成時とか、後で色の微調整ができるから超便利。

グローバルカラーの登録の仕方



1.パネルオプションから「グローバルカラーを追加」をクリック



2.好きな名前を登録し、登録したい色を選び、「追加」を押す。




真ん中のプルダウンで、好きなカラーモードを選べます。スウォッチを選ぶことも可能。
また、右側のスポイトを使ったり、16進数のカラーコードを使ったりもできます。



「スポット」と「オーバープリント」については後程解説。

3.作ったオブジェクトに、作成したグローバルカラーで色を付ける



グローバルカラーのスウォッチは、左下に線が入ります。
オブジェクトを選択し、作成したグローバルカラーのスウォッチをクリックして色を付ければOKです。





4.色を変更したいときは、スウォッチをダブルクリックし、好きな色を選ぶ。




リアルタイムで色が変わるので、調整しやすいです。

「現在の塗りつぶしをパレットに追加」ボタンの横にあるボタンでもグローバルカラーを追加できます。



スポットとオーバープリントについて



スポット



印刷をするときは大体(シアン・マゼンタ・イエロー・キープレート(黒))の4色のインクを組み合わせて色を表現しますが、4色だけだと再現しきれない色があります。
また、印刷機も機械や気温によって色が変わったりしますので、4色の組み合わせでは日によって色がブレることがあります。(特に茶色とかは色がブレやすい)

企業によっては、このロゴは必ずこの色で出してもらわなきゃ困る! ということがあります。
絶対に色がぶれないようにするには、どうすればいいでしょうか?

CMYKを組み合わせず、その色のインキ1色で刷ればいいんです。

というわけで、特別に色合いを調合して作ったインクのことを「スポット(特色)」と呼びます。

企業カラー以外にも、金や銀、蛍光色など、CMYKでは表現できない色に、「スポット(特色)」を使います。

DIC(ディック)やPANTONE(パントーン)と呼ばれる色の見本帳(高額!)を購入し、その冊子で色を決めてから、「スポット(特色)」を使ってデータを作り、出力見本と一緒に見本帳を切り取ってカラーチップ(色見本)を印刷所に送り、こんな色になりますが大丈夫ですか?と、校正出力(出力見本)を送ってもらって確認する、というのが基本的な流れになるかと思います。

スポットのスウォッチは、右下に小さな〇が付きます。
グローバルカラーを作成するときに、「スポット」にチェックを入れると作成できます。



ちなみに、Pantoneのカラーパレットを使うと、右下の○はついていないですが、スポット(特色)になっています。
スポット(特色)になっているかどうかは、パネルの「カラー」を見ると確認することができます。



あまり使うことないんじゃないかなーと思います(=・ω・=)

オーバープリント



詳しくはIllustrator用に書いた記事ですが、こちらを参考にして下さい。
オーバープリントについて① ~よくあるトラブル~
thumbnail
印刷物制作で必須知識の「オーバープリント」について、基本原理やよくあるトラブル(黒の透け・白オブジェクトの消失・意図しない混色など)を具体例と画像で分かりやすく解説します。
https://sama46.blogspot.com/2025/07/overprint-1.html
印刷データを作る際、大体の印刷会社が今は「オーバープリントの設定はしないでください」としていることが多いので、基本「使わない」でいいと思います。

グローバルカラーを作る際に、オーバープリントにチェックを入れると、その色はオーバープリントになります。

オーバープリントは、スウォッチの右上にグレーのマークがつきます。


登録カラーを追加(レジストレーションカラー)



CMYKすべて100%濃度で使う、という色です。印刷する際にここで断裁する、というガイド線「トンボ(トリムマーク)」を描くときに使います。

普通のデザインで使うと印刷汚れの原因になる&Affinityは海外のトンボしか作成できない(日本では使えない)ので、基本使わないと思ってください。

Affinityで入稿データを作るときは、印刷所が用意したテンプレートを使うといいです。

カラーパレットでは真ん中に星が入ったマークがつきます。



アプリケーションパレットを追加



アプリケーションに登録するので、他のドキュメントでも共通して使えるパレットを作成できます。一番よく使うパレットかも。
好きな名前を付けられます。
自分がよく使う色を登録しておくと便利です。



パレット名の左に、歯車のついたウィンドウみたいなアイコンが表示されます。



ドキュメントパレットを作成



そのドキュメントにだけ保存されるパレットを作成します。



一応、ドキュメントパレットで作ったけどアプリケーションパレットにしておけばよかったな~って時は、エクスポートとインポートを使えばアプリケーションパレットにできます。

なので、ドキュメントパレットで作っておいて、気に入ったらアプリケーションパレットにするってやり方がいいかもしれません。お好みで。

パレット名を変更



現在アクティブになっているパレットの名前を変更できます。

パレットを複製



現在アクティブになっているパレットを複製します。
自動的にナンバリングされて複製されます。

パレットをリンク



現在アクティブになってるアプリケーションパレットを、他のAffinityPhotoやAffinityPublisherで使えるようにします。
リンクすると、パレット名の左のアイコンが鎖マークになります。



ドキュメントパレットはリンクパレットにできません。

パレットを削除



現在アクティブになっているパレットを削除します。
リンクパレットの場合、他のアプリケーションからも削除するか聞かれます。



次のデフォルトとして設定



アクティブなパレットを、新規ファイルを作った時のデフォルトのドキュメントパレットにします。
新規ドキュメントを作るときに、「カラー」-「カラーフォーマット」で指定したモードです。





CMYKの時はこの色、RGBの時はこの色つかうなーっていうのがあるときは登録しておくと便利だと思います。

デフォルトで削除



デフォルトを削除、の誤訳ですね。
デフォルトに設定したパレットを解除します。

ドキュメントからパレットを作成



ドキュメントで使われている色を使用した、パレットを作成します。
ドキュメントパレット・アプリケーションパレット、どちらも作れます。



グラデーションも分割して作ってくれるっぽいです。
グラデーションがあるときは、他のスウォッチの色が多いときは控えめに、グラデオブジェクトしかないときは多めに色を抽出してくれるっぽい。



画像からパレットを作成



画像を読み込み、画像に使用されている色でパレットを作成します。

「画像を選択」で好きな画像を読み込み、色数のスライダーで色数を指定し、「プレビュー」を押すと、スウォッチが作成されます。最大256色まで。

納得のいくスウォッチができたら、アプリケーションパレットにするのか、ドキュメントパレットにするか指定して、「作成」を押すと、画像の名前のパレットが作成されます。

場所で「選択中のパレット」を指定すると、現在アクティブになっているパレットが「ドキュメントパレット」の場合は、アクティブになっているパレットの最後にスウォッチが追加されます。

現在アクティブになっているパレットが「アプリケーションパレット」「リンクパレット」の時は、同じ名前のパレットが新規作成されます。……バグかな??仕様??



アピアランス



パレットの表示方法を指定します。





自分の見やすいやつを選んでください。

並び替え



アルファベット順、カラー順に並び替えてくれます。



……が、正直「カラー順」が何を基準に並び替えているのかがわかりません。
普通は色相(Hue)基準に並び替えると思うけどバラバラ……
何順に並んでいるか突き止めた方、教えていただけると嬉しいです<(_ _)>

パレットをインポート



自分が作成した、または他の人が作成したパレットをインポート(取り込み)することができます。
「.afpalette」「.ese」拡張子のファイルを読み込めます。

Adobe製品で使われている.eseファイルを読み込めるのはありがたい!
Adobeで使っていたパレットをeseで書き出しして、Affinityに持ってくることもできます。

インポート時に、パレットをドキュメントパレットにするか、アプリケーションパレットにするか選択します。

パレットをエクスポート



自分が作成したパレットをエクスポート(書き出し)します。
書き出し形式は「.afpalette」のみです。

ドキュメントパレットで作成したけれど、アプリケーションパレットにしておけばよかったなーって時は、一度書き出しして、インポートでアプリケーションパレットとして読み込めばOKです。

スウォッチを右クリックして出てくるメニュー



スウォッチを右クリックすると、そのスウォッチに関連した項目が選べます。



塗りつぶしの編集



スウォッチの色を変更できます。スウォッチをダブルクリックしたときと一緒です。

コピーを作成



スウォッチのコピーを先頭に作成します。

グローバルにする



スウォッチをグローバル(後で一気に色が変えられる)にします。

塗りつぶし名を変更



塗りつぶしの名前を変更します。
リスト表示したときや、カーソルを上にのせてちょっと待ったとき(ホバーしたとき)に表示される名前です。

塗りつぶしを削除



スウォッチを削除します。これが右クリックで一番使うかも。

コードをスウォッチに追加



選択したカラーを基準にしたカラー配色を作成します。
詳しくは「カラーパネル」のページで解説しています。



スウォッチパネルは結構使うことが多いので、参考になれば幸いです(=・ω・=)