2025-12-17

ゼロから始めるAffinity3 Affinity初心者講座その5 レイヤー




ゼロから始めるAffinity3 Affinity初心者講座その4 の続き

「その4」で「境界線」パネルの使い方を学びました。
今回は「レイヤー」パネルについて学んでいきましょう。



レイヤーの重なり順



「講座その1」の課題を作成中、次のような疑問を持った方はいませんでしょうか?

「紫色の四角を下にしたいけれど、どうしたらいいんだろう?」



「ベクター」スタジオに切り替えて、右の真ん中らへんに表示されている「レイヤー」パネルを見て下さい。
(「レイヤー」パネルが表示されていないときは、メニューの「ウィンドウ」-「一般」-「レイヤー」にチェックを入れて下さい)

レイヤーパネルに、描いたオブジェクトが表示されています。





レイヤーは「層」「階層」という意味です。

レイヤーは、「透明なシートを重ねている」と考えると分かりやすいです。
上にあるものが優先して表示されます。

今は、
「名前が書かれたレイヤー」と
「紫色の長方形が描かれたレイヤー」と、
「水色の長方形が描かれたレイヤー」 

があります。

レイヤーパネルで表示されているものを、「レイヤー」と呼びます。

画面上にある「もの」を「オブジェクト」と呼ぶ、と言いましたが、
レイヤーパネル上にある「もの」はすべて「レイヤー」と呼びます。

(画面上)オブジェクト=(レイヤーパネル上)レイヤー

ややこしいですね! 覚えなくていいです。
雰囲気で汲み取ってください(=・ω・=)

覚えられなくても、なんとなく「あ、今これの事を言ってるのかな?」って察せられればOKです!

レイヤーパネルを見ると、紫の長方形レイヤーが上に来ています。
だから、紫の長方形が上に表示されて見えます。



紫の長方形レイヤーを掴んで、下にドラッグ&ドロップしてみて下さい。



すると、水色の長方形が上にきました。



このように、レイヤーパネル上でドラッグ&ドロップすることで、レイヤーの表示順を変えられます。

よくある疑問「クリッピング」



レイヤーの順番を変えようとしたのに、「こんな変なことになってしまった!」という人はいないでしょうか。



実はレイヤーパネルでは「クリッピング」という、「オブジェクトで他のオブジェクトをくりぬく」ことができるようになっています。



早速、再現してみましょう。

レイヤーパネル上で、紫色の長方形レイヤーを掴んで、水色の長方形レイヤーの真上に重ねてみましょう。
ちょうど名前の上に重ねるようにしてください。



紫色の長方形が、水色の長方形の形でくりぬかれました。



続いて、紫色の長方形レイヤーを、水色の長方形レイヤー左側の画像見本が表示されているところ(サムネイルと呼びます)にドラッグ&ドロップすると、今度は紫色の長方形で、下の水色の長方形をくりぬきました。





二つの長方形が重なってた部分だけ残った。

難しいですよね?
なので、忘れて下さい(笑)

もうちょっと勉強が進んでから改めて覚えましょう。

とりあえず、レイヤーをドラッグ&ドロップで移動するときには、他のレイヤーの上に重ねないようにする、とだけ覚えておいてください。

変なクリッピングがかかってしまったら、またドラッグ&ドロップで、上か下に移動させて解除してください。
結構手がぶつかって、変なクリッピングがかかってしまう事故が多いです。



レイヤーが見えないときは、左側にある > をクリックすると、レイヤーが展開されます。



ドラッグ&ドロップで移動していたら、うっかりクリッピングになってしまいそうですよね?
なので、レイヤーパネルではどちらが上か確認するだけにして、別の方法で移動するようにしましょう。

レイヤーの移動方法には、以下の4つの方法があります。

レイヤーの重なり順の変更方法



方法1 ツールバーから移動する



オブジェクトを選択した後、ツールバーにある「配置」をクリックしてください。



「配置」を押した後出てくるメニューから「前面へ」のボタンを押してください。
前面=上 の事です。



複数のオブジェクトがある場合、一番下の「最前面」をクリックすると、一番上へ移動することができます。



後ろに移動させたいときは「背面へ」をクリックしてください。

方法2 レイヤーメニューから移動する



オブジェクトを選択後、メニューから「レイヤー」-「重ね順」-「移動」で、それぞれ移動することができます。



方法3 オブジェクトを右クリックする



右クリックすると、よく使うであろうメニューが表示されます。
その中に「重ね順」というのがあるので、同じように選択してください。



方法4 ショートカットを使う



レイヤーの移動は良く使うので、できればショートカットを覚えて欲しいです。
メニューから操作する際に、メニューの右側にショートカットキーが表示されているのに気付いた方はいますでしょうか?



前面へ移動は、Ctrl+] (かっこの終わり)
背面へ移動は、Ctrl+[ (かっこの始まり)

この2つは良く使うので、頑張って覚えましょう。
ショートカットキーは、大体がCtrlキーとの組み合わせです。
「」はEnterキーの横なので、覚えやすい位置にあります。
前面か背面かは、自分は「後ろに送る、手前に寄せる」みたいな感覚で、キーボードを見ながら上と下を覚えてます。うまく伝わるかな?(=・ω・=;)

最前面、最背面は、レイヤー移動のキーに「Shift」を組み合わせるだけなので、前面、背面のショートカットキー2つを覚えれば、自然と使えるようになるかと思います。

ちなみに、下にある「内側」と「外側」はクリッピングに関するものなので、覚えないでいいです。
そのほかにも、移動ツールのショートカット「v」など、よく使う機能はショートカットを覚えておくと便利です。
最初に全部覚えるのは大変なので、使いながら少しずつ覚えていきましょう。

まずは、最初に覚えるショートカットとして、
前面へ移動 Ctrl+]
背面へ移動 Ctrl+[

この二つを頑張って覚えましょう。

覚えるまでの間は、ツールバーの「配置」アイコンを使うのが便利です。

おまけ ツールバーに配置メニューを追加する



「配置」をクリックしないと出てこない「前面へ移動」「背面へ移動」などのアイコンを、そのままツールバーに表示することもできます。
ツールバーを右クリックして、「ツールバーをカスタマイズ」をクリック。



左の項目が「ツールバー」になっていることを確認して、下の方にスクロールすると「配置」のアイコンが出てきます。
それをツールバーにドラッグ&ドロップすると、ツールバーに「配置」を開いた状態で追加することができます。





ツールバーやスタジオのカスタマイズ方法について、詳しくはまた後日丁寧に解説します(=・ω・=)

おまけ レイヤーが多い時の楽な並び替え方法



レイヤーの数が多く、何度も「背面へ送る」を押すのが面倒だという時。

例では、赤枠の四角を、緑と青の間に入れてみたいと思います。



1.間に入れたいレイヤーをCtrl+Xでカットする



Ctrl+Xのショートカットキーは他のアプリでもよく使いますよね。
パソコンが持っている「クリップボード」という領域に、一時的に切り取って(カット)して保存することができます。
Affinityでも同じように使えます。



2.入れたい場所の下にあるレイヤーを選択する




3.Ctrl+Vで張り付ける



カットして、ペースト(貼り付け)するので、「カット&ペースト」とも呼ばれます。

Ctrl+Cでコピーして、ペーストするのは「コピー&ペースト」と呼ばれます。通称「コピペ」ですね。
もちろん、コピペでも同じようにレイヤーを間に貼り付けることができます。元のレイヤーを残すか否か。

Ctrl+Vで張り付けたレイヤーは、現在選択しているレイヤーの上に配置されます。
それをうまく使えば、レイヤーの数が多くなっても、好きな位置にレイヤーを入れることができます。



基本、そこまでレイヤーが多くならないようグループ化したりコンテナレイヤーを使用したり(後日解説します)整理して作成して欲しいのですが、どーしても多くのレイヤーを扱わなければならなくなったときに使ってみて下さい(=・ω・=)

レイヤーパネルについて



オブジェクトの上下確認以外にも、レイヤーパネルではいろいろなことができるので、常に表示しておくと便利です。

オブジェクトの選択



レイヤーパネル上でクリックすると、オブジェクトを選択することができます。
他のオブジェクトに隠れて見えないオブジェクトも、レイヤーパネル上なら簡単に選択することができます。



ちなみに、画面上でも「ALTキー」を押しながらクリックすると、背面にあるオブジェクトを選択できます。
何個も重なってる場合は、何回もクリックしてください。

レイヤーの非表示



右側の目のマークをクリックすると、レイヤーを非表示にすることができます。
邪魔なものを非表示にして作業するのに便利。

この非表示の状態は、ファイル書き出し時にも適用されるので、間違って非表示になっていないか注意してください。



グループについて



この2つをセットで動かしたいなぁ~、という時は「グループ化」すると便利です。
レイヤーパネル上で「グループ」というひと固まりで表示されます。



グループ化の仕方



1.グループ化したいオブジェクトを2つ以上選択します。




2.メニューから「レイヤー」-「グループ」をクリック



ショートカットキーはCtrl+G(Groupグループの頭文字)です。
よく使うので、このショートカットキーも覚えておくと便利です。



オブジェクトを右クリックして表示されるメニューにも「グループ化」があります。
レイヤーパネル上で右クリックしてもOKです。



グループ化するとひとつにまとめられ、移動の際も一緒に移動させることができます。



中身を見たいときは、左側の「>」をクリックすると展開します。
レイヤーパネル上でまとめられたものを開きたいときは、左側の「>」をクリックすると覚えておいてください。



グループ化したものは基本一緒に動きますが、ダブルクリックで選択したり、Ctrlキーを押しながらクリックしたり、レイヤーパネル上で個別に選択したあと移動したり、ノードツールを使ってドラッグ&ドロップすると、個別に移動することができます。



移動ツールと形が似ているけれど、ノードツールは別物です。上から3番目のツールです。




また、移動ツールの「コンテキストツールバー」で、自動選択の横にあるアイコンの、真ん中にある「オブジェクト」にすると、グループ化されていても個別に選択・移動することができます。

右にある「グループ」にすると、グループ化されたオブジェクトのみ選択して移動できるようになります。
基本、一番左の「デフォルト」でOKです。



なんか選択が変だなぁと思ったら、ここが「デフォルト」になっているかどうか確認してください。

また、左にある「自動選択」のチェックが外れていると、画面上でクリックしても選択できなくなります。レイヤーパネル上からしか、選択できなくなります。

オブジェクトが選択できない! という時は、この「自動選択」のチェックが外れていないか確認して下さい。

グループ化の解除



グループ化を解除したいときは、メニューの「レイヤー」-「グループ解除」で解除できます。
右クリックで表示されるメニューからもできます。



ショートカットはCtrl+Shift+Gです。
通常のショートカットをパワーアップさせたり、逆の意味を持たせたりしたいときに「Shift」がよく使われます。

前面へ移動のショートカットが Ctrl+]
最前面へ移動のショートカットが Ctrl+Shift+]

グループ化のショートカットが Ctrl+G
グループ解除のショートカットが Ctrl+Shift+G

傾向を覚えると、ショートカットを覚えるのが楽になります。

ちなみに、メニュー「レイヤー」-「グループ解除」の下にある「すべてグループ解除」は、グループ化したものをさらにグループ化した、入れ子になっているグループをすべてまとめて解除できます。

ショートカットは設定されていませんが、Ctrl+Shif+Gを連打すれば似たようなことができます。



作品を作っていくと、レイヤーの数が大量に増えていくので、一緒に動かしたいものはある程度グループ化してまとめておくと便利です。

レイヤーのロック



オブジェクトを選択した状態で、メニュー「レイヤー」-「ロック」をクリックすると、そのレイヤーをロックすることができます。
ロックすると、そのレイヤーは画面上で触れなくなります。
移動させたり、変更したりしたくないレイヤーをロックしておくと便利です。

解除は、その下の「ロックを解除」でできます。



※ショートカットキーは、よく使うので個人で別に設定したものです。
多分デフォルトはCtrl+Lかな(=・ω・=)

レイヤーパネル上では、右上の鍵のマークをクリックするか、レイヤー非表示のちょっと左にカーソルを持っていくと、鍵のマークがうっすら表示されるので、それをクリックしてください。



ロック解除したいときは、レイヤー上の鍵マークをクリックして消せばOKです。

レイヤーの削除



削除したいレイヤーを選択して、「Deleteキー」または「BackSpaceキー」を押せば削除できます。
また、レイヤーパネルの右下にあるゴミ箱アイコンをクリックしても削除できます。



レイヤーの左側に表示されているマークについて



そのオブジェクトがテキストなのか、画像なのか、図形なのかを表すために、いろいろなアイコンが表示されます。
参考程度に。



今回覚えたこと
  1. レイヤーの表示順…上にあるレイヤーが優先されて表示されます
  2. クリッピング…なにか表示が変になったら、まずクリッピング設定を疑ってください
  3. レイヤーの重なり順変更…レイヤーパネルで移動可能。ショートカットキーを覚えると便利です。Ctrl+[ と Ctrl+] で操作できます
  4. サムネイル…レイヤー名の左にある見本の画像
  5. レイヤーの非表示…レイヤー名の右にある目のマークをクリックすると表示/非表示を切り替えられます
  6. グループ化…Ctrl+Gでグループ化、解除はShift+Ctrl+Gで行えます
  7. レイヤーのロック…変更したくないレイヤーは鍵マークでロックして保護します

ゼロから始めるAffinity3 Affinity初心者講座その6 に続く