ゼロから始めるAffinity3 Affinity上級者講座その8 実効解像度について

2026-10-21

Affinity Affinity上級者講座

t f B! P L
Affinity V3上級者講座のアイキャッチ画像
ゼロから始めるAffinity3 Affinity上級者講座その7 細かい文字調整について の続き

さぁ、それでは下の方にショップの画像を配置してみましょう。
WEB用の画像を作るときは気にしなくていいのに、印刷用のデータを作るときは気にしなきゃいけない「あること」があります。

とりあえずやってみましょう。
Affinity V3のキャンバス上に配置されたショップの画像

1.メニューの「ファイル」-「配置」で画像を選び、画像を配置する

ファイルメニューから配置を選択する操作画面
キャンバスに配置された画像
ちょっと大きいので、サイズを小さくして上下を切りたいと思います。

2.画像を選択した状態で、「ベクター切り抜きツール」をクリックする

ベクタースタジオのとき、ツールの下の方にあります。
ツールバーのベクター切り抜きツール

3.端を掴んでドラッグし、画像を切り抜く

青いハンドルを掴んでドラッグすると、画像の切り抜き範囲を変えることができます。
画像の位置を調整したいときは、真ん中らへんを掴んでドラッグすれば移動できます。
ベクター切り抜きツールでハンドルを操作して画像を切り抜く画面
ベクター切り抜きツールを使うと、自動で長方形のクリッピングマスクを作成してくれます。
切り抜いた部分を復活させたいときは、クリッピングマスクを削除すればいいので便利です。

自分はよく使うので7のショートカットキー割り当ててます。イラレのクリッピングマスクがCtrl+7なので(=・ω・=)
レイヤーパネルでクリッピングマスク構造を確認する画面
裁ち落とし部分も忘れずに設定して、いい感じに切り抜いてあげて下さい。

4.完成

さぁ、画像の配置ができました。
WEB用の画像ならこれでいいんですが、印刷に出したいときは、画像の「解像度」を確認する必要があります。

ドキュメントの解像度ではなく、今回は「画像」の「解像度」です。
配置が完了したデザイン画面

画像の解像度を確認する

メニューから「ドキュメント」-「リソースマネージャー」をクリックします。
ドキュメントメニューのリソースマネージャーを選択する画面
すると、ドキュメントで使われているリソース(画像やテキスト)の一覧が表示されます。
左の一覧をクリックすると、右にその詳細が出てくる感じです。
リソースマネージャーパネルで配置DPIを確認する画面
ここの、「配置DPI」の数字が、大体350dpiを超えていればOKです。
(dpiって書いてあるけど、本当はppi。そこら辺の詳しい話は「ゼロから始めるAffinity3 Affinity上級者(?)講座その5 解像度について」にて)

こっから先は例によって難しくなるんで、「配置DPIの数値が350dpi以上になってればOK」とだけ覚えて、飛ばしちゃってもOKです。それだけ覚えておけば何とかなる(=・ω・=)

「配置DPI」ってなんぞや? って方のためにこれから詳しく解説していきます。

ちょっとややこしくなるんで、今後、dpiと書いてあるんですが、ppiと呼ばせてください。
とりあえずdpi≒ppiってことで。
dpiと書いてあるのはppiなんだと脳内変換してください。d→pです。
リソースマネージャーで元のPPIと配置PPIの表示の違いを確認する画面
(=・ω・=) < えっ、この画像WEB用だから、72ppiのハズだけど??

元の画像は72ppiの画像を用意しました。右側の詳細にもちゃんと「元のPPI:72」と書いてあります。
なのに、なぜか配置PPIには「603ppi」と表示されています。

ここら辺の謎を解明するために、100px×100px、72ppiの画像を作成しました。
縦横に100個のピクセルを並べた画像です。
1インチ(2.54cm)に72ピクセルの解像度で作っています。100ピクセルだと約3.53cmぐらいの大きさです。
100px×100px 72ppiの画像データ例
名刺に、約3.53cmの大きさで配置しました。ミリ表記だと35.3mm。
名刺サイズのキャンバスに35.3mmで配置した画面
リソースマネージャーで見てみると、ちゃんと72ppiと表示されています。
右側の詳細と、配置サイズと。ピッタリ一致しています。
リソースマネージャーで配置サイズとPPIが一致している画面
ちょっとこの画像、でかすぎるんで半分のサイズ(17.6mm)に縮小しました。
画像を半分のサイズに縮小した状態
すると、配置PPIが「144ppi」になりました。
72ppiの2倍ですね。
リソースマネージャーで配置PPIが144ppiに上がった確認画面
(=・ω・=;) < ??????????

ここで、PPIの意味をおさらいしましょう。

PPI=Pixels Per Inch、1インチあたり何ピクセルあるか、です。
1インチは2.54cmです。

2.54cmの中にピクセルが4つあったら、4ppiになります。
ppiが多いほど、ピクセルの数が増えるので情報量が増え、高画質に見えます。
高解像度と低解像度のピクセル密度の違いを図解した画像
ppiが大きいほど滑らかに、キレイに見えます。少ないとピクセルが目立ち、ギザギザに。
ピクセル表示の滑らかさとギザギザの比較解説画像
今回用意した画像は、2.54cmの中にピクセルが72個並ぶ、解像度で作っています。
実際の画像は100pxなので、3.53cmほどあります。
2.54cm(1インチ)とピクセル数の関係を表す図解
新しく作った2.54cmのキャンバスに、先ほどの100px×100px、72ppiの画像を同じ解像度で配置してみましょう。
2.54cmのキャンバスに72ppi画像を配置した例
72ppiのとき、2.54cmの中に72ピクセルしか表示できないのだから、100ピクセルの画像は72ピクセルしか入らず、28ピクセル分はみ出てしまいます。
ここまではいいですよね?

では、この100px、72ppiの画像を、半分の大きさに縮小してみます。
縮小することで1インチあたりのピクセル密度が増える解説図
半分にすると、2.54cmの中には144個のピクセルが並ぶ大きさになります。

2.54cmに72個ピクセルが並ぶ画像を半分に縮小したら、2倍のピクセルが2.54cmの間に並ぶことになります。
72個×2倍=144個のピクセルが、2.54cmの中に並べられます。

ここまで大丈夫でしょうか??(=・ω・=;) 逆にややこしいか?

わかりにくかったらこれまでの流れ忘れて下さい。説明ムズイ(´・ω・`)

要するに解像度というのは、2.54cmの中に「何ピクセル並べられるか」で決まります。
実効解像度についての図解イラスト
元のppiはあくまで参考値です。

拡大縮小して配置して、2.54cmの中に何個ピクセルが並んでいるかで、解像度が決まります。

この解像度のことを、「実効解像度(じっこうかいぞうど)」と呼んだりもします。

Web用に作った72ppiの画像でも、2.54cmの間に350px並ぶくらいの大きさに縮小すれば、十分印刷で使えます。

逆に、350ppiで作った画像も、拡大しすぎると解像度が足りなくなり、ピクセルのギザギザが目立ってしまいます。

同じ画像でも、配置する大きさによって解像度が変わってきます。
配置サイズと解像度の変化を示す比較画像
大事なのはppiの数字ではなく、ピクセルの数です。

「100px 72ppi」の画像と、
「100px 350ppi」の画像。

こちら、ぱっと見350ppiの画像の方が大きく感じられますが、実際は両方とも100pxなので同じです。
同じ大きさで配置すると、両方とも同じ解像度になります。
100px 72ppiと100px 350ppiの画像サイズ比較
PPIは「1インチ(2.54cm)の間に何個ピクセルがあるか」なので、配置サイズを変えると変わってしまいます。
配置する前のppiって、あまり意味がないんですよね。

こちら、引っかけ問題としてよく使われるので覚えておきましょう(=・ω・=)
大事なのはピクセル(px)の大きさです。

(=・ω・=) < 画像解像度はピクセルの数字が大事ってのは分かった。
じゃあ画像に設定されてるppiってなんなのさ? 要らなくない?


これは、実際に二つの画像をクリックでデフォルト配置してみると違いが分かります。

72ppiの画像はデフォルトで35.3mmの大きさで配置され、
350ppiの画像はデフォルトで7.3mmの大きさで配置されます。
デフォルトサイズで配置した際の初期配置ミリ数の違い
デフォルトで配置した際、元のppiを参考にした大きさで配置されます。
(AffinityやPSD形式の画像のとき。jpgなどはドキュメントの解像度に合わせて配置されます。多分親切機能)

100px72ppiの画像は、2.54cmにピクセルを72個並べる解像度なので、100pxで35.3mmです。

100px350ppiの画像は、2.54cmにピクセルを350個並べる解像度なので、100pxで7.3mmです。
設定PPIによる配置予定サイズの解説
ppiの数値は、「この画像、2.54cmに○ピクセルぐらいの解像度で配置するつもりだよー」という、予定の数値です。
配置するときに、デフォルトではそのサイズで配置してくれます。

(=・ω・=#) < ややこしくてわからーん!!

ですよねー!(笑)

ここらへん、分からなくても何とかなるんで大丈夫です!
リソースマネージャーで配置PPIを350以上確認する重要ポイント
とりあえず、画像を配置した際は「配置PPI」の数字が350ppi以上になっているか確認するようにして下さい。
ppiの数値が足りなかったら縮小してみたり、別のピクセル数が大きい画像を用意するようにして下さい。

だいたい300ppiぐらいあればまぁまぁキレイに出るので、そこらへんはどのくらいこだわるかに寄りますね。
多少ガビガビしてても気にならないなら、普通に低画質の画像でもOKです。200ppiでもイケるっちゃイケる。

(=・ω・=) < 解像度足りないな……100pxの画像を200pxに拡大すればOK?

単純に拡大するだけだと、1pxのものを4pxで表示するだけなので、クオリティ的には上がりません。
画像を拡大した際に1pxが複数のpxに分割される解説画像
四角で囲った部分が、元の1pxです。4つのpxで元の1pxを作ってるだけです。
画質が変わらずファイルサイズのみ増加する注意点の解説
こちら、見栄え同じなのにファイルサイズだけでかいという、最悪なデータになります(´・ω・`)

細かく作りたくても、元の情報がないからこれ以上細かくは作れないんですよね。

最近はAIでその細かい情報を補間して、作ってくれたりします。
ただ、あくまで「想像して作り出す」ので、たまーに「なんじゃこりゃ?」ってものが作られちゃったりします(´・ω・`)
なんかやたらコントラストが強かったりとか。エッジが強調され過ぎてたりとか。

便利ではあるんですが、使うときはちょっと注意してあげて下さい。

一応、Affinityでも有料プランを申し込めば、AIを使った解像度UPが使えるみたいです。
ドキュメントメニューのサイズ変更・再サンプル設定画面
一応無料でも、メニューの「ドキュメント」-「設定」-「サイズ変更」-「ドキュメント」から……
サイズ変更ダイアログでリサンプル方式を選択する画面
画像のサイズを変更するついでに、「リサンプル」で拡大するときのピクセルの補間方法を選べます。
各種リサンプルアルゴリズムの選択リスト
  • ニアレストネイバー…1pxをそのまま拡大。ギザギザが目立つ。見本でやった感じ。線画とかコントラストが高い画像を拡大するときはこれを使わないとボケる。
  • バイリニア…周囲4pxの平均を取る。ニアレストネイバーよりなめらかだが、ややぼやける。グラデーションがある写真などを拡大するときに。
  • バイキュービック…周囲16pxを参照し、バイリニアより高品質。
  • Lanczos3分離可能…周囲36pxを参照し、バイキュービックより高品質。計算を最適化する。
  • Lanczos3分離不可…周囲36pxを参照し、最適化しないためめっちゃ重いが、一番高品質。

下に行くほど高品質だけど、処理が重くなる感じ。
一番下から使っていって、うまく行かなかったらだんだん上の方使っていく感じでいいと思います。

一番下のを使うと、こんな感じで、ピクセルの間を滑らかにしてくれるのはいいんですけど……
Lanczos3分離不可で拡大した際に生じるゴースト現象の例
こんな感じで、ちょっと画像周りにゴーストが出ちゃったりします。
おそらく、参照範囲が大きすぎるせいかな。
バイキュービックで滑らかに拡大処理された例
バイキュービックだと、ゴーストも出ずになめらかな感じに。
元画像の大きさやコントラスト具合によって結果が変わってくるので、いろいろと試してみて下さい。
拡大処理による解像感と不鮮明さの限界の比較
ただ、多少ギザギザが見えにくく滑らかになったとしても、画像が不鮮明なことに変わりはないので、できるだけ元から高画質な画像を用意するようにして下さい。
高画質な元画像の例
200pxはガタガタは抑えられたが、まだ不鮮明。
高画質画像
低画質画像を拡大処理した際の解像感の例
100pxの画像をどんなに頑張って加工しても、ここまではキレイにはならない。

個人的には、ファイルサイズのわりに画質があまり上がらないので、無理に拡大しないでいいかなーと思ってます(´・ω・`)
0.1%でも良くしたい! って時は拡大して、アンシャープマスクかけたり小細工する感じ。
AIがもっと進化したら、AI拡大は使ってみたいかなぁ。
低画質のものを高画質にするのは、難しいと思います。

写真を撮るときは、できるだけ高画質で。
イラストを描くときは、できるだけ大きめのピクセルで描いてあげると安心ですね。

(=・ω・=) < イラストを描くときのサイズはどのくらいにしたらいいの?350ppiにするには2.54cmに350ピクセルだから、掛け算して……何ピクセルだ??

最初っから、大体印刷するぐらいのサイズで、350ppiでキャンバスサイズを決めてあげるといいです。

ドキュメントを作るときに、ピクセルではなくミリメートルを指定して、DPI(PPI)を350に。印刷するとしたらどのくらいの大きさで印刷するか……大体A4ぐらいか、大きくてもA3ぐらいだなーと思ったら、その大きさでドキュメントを作成すればOKです。
新規ドキュメント作成ダイアログでA3・350DPIを設定する画面
ドキュメント単位をピクセルに切り替えるとこんな感じ。大体4093px×5787pxで、A3サイズ350dpiのデータが作れます。ちょっと端数でちゃってるけど。
わざわざドキュメント単位をピクセルに直さず、ミリメートルのままドキュメント作成しちゃってOKです。
ミリメートル単位からピクセル換算への計算式表示
計算式的には、
印刷したいサイズ○mm÷25.4(インチ)×350(PPI)=必要ピクセル
です。

297mm÷25.4×350=4092.5 端数四捨五入で、4093pxで作ればOK。

端数問題あるし、計算するの面倒臭いんで、最初からpxでなくmmでドキュメント作成するの、オススメです。

ちなみに、
「100mm 75ppi」と
「100mm 350ppi」は

「100mm350ppi」の方がサイズが大きいので間違えないように。

100mm 75ppi = 295px
100mm350ppi =1378px です。
(100÷25.4×75=295)
(100÷25.4×350=1378)

mmをインチに変換するせいでわかりにくくなってますが、ppiは「1インチに何個ピクセルがあるか」なので。
mmが同じ場合、ppiが大きい方が、サイズが大きいです。
実効解像度のまとめと次回予告の締め画像
さぁ、実行解像度について大体分かりましたね?

実は印刷のときはまだ気をつけなくてはいけないことがありますので、次回へ続く……。

ゼロから始めるAffinity3 Affinity上級者講座その9 へ続く

書いてる人

検索

最新の投稿

ゼロから始めるAffinity3 Affinity上級者講座その8 実効解像度について

ゼロから始めるAffinity3 Affinity上級者講座その7 細かい文字調整について の続き

ゼロから始めるAffinity3 Affinity上級者講座その8 実効解像度について

人気の投稿

Twitter(X)

アフィリエイトについて

このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。

QooQ