2023-05-03

撮影した商品の影を一緒に動かす方法/Illustrator&Photoshop



パッケージデザインなど、商品と影を一緒に動かしてレイアウトしたい、というときに役立つテクニックです。

影の濃さを調節しやすい「影を分けた作り方」と、「影を含めた作り方」の2種類紹介します。


  1. 影を分けて作る方法(イラレ上で影の濃さを調節できる)
  2. 影も含めた作り方(影の濃さはphotoshop上で調整)

1.影画像を分けて作る方法(イラレ上で影の濃さを調節できる)

  1. フォトショップで商品を切り抜いた画像を作る
  2. フォトショップで影のみの画像を作る
  3. イラストレーターに重ねて配置し、影を乗算にする

1.フォトショップで商品を切り抜いた画像を作る


ペンツールを使って、商品部分を切り抜きます。

1.ペンツールで商品を切り抜くパスを作る。




直線的な商品などは、パスで切り抜いたほうがキレイにできます。気持ち内側をなぞる感じで。
※パスは必ず閉じてください。

2.パスパネルを開く


「ウィンドウ」-「パス」でパスパネルを開きます。


3.パネルメニューを開く

作成したパスをクリックして、右上の三本線(パネルメニュー)をクリック


4.「パスを保存」をクリック





5.好きな名前をつけて保存。




6.右上のパネルメニューから「クリッピングパス」をクリック。




7.保存したパスを選び、「OK」を押す。



※平滑度でどれだけ滑らかに出せるか設定できますが、空欄でいいと思います。


見た目は変わりませんが、この状態でIllustratorに配置すると、パスでくりぬかれた状態になっています。



穴あきの商品などは、「パスコンポーネント選択ツール」でパスを全選択した後、上のほうにあるパネルから「シェイプが重なる領域を中マド」を選択してください。




うまく行かないときは、一度全部のパスを選択して「シェイプを結合」にした後に、中側のパスだけ選択して「シェイプが重なる領域を中マド」に指定してください。

保存して、商品画像は完成です。

面倒な場合はオブジェクト選択ツールなどで一気に選択して、透過画像にしてもOKです。

2.影の作り方


1.別名保存して影用のフォトショップデータを作る。

後で商品画像と重ねるので、商品画像と同じ大きさで作っておくと楽です。



2.レベル補正などを使って、影以外の部分を白くする



3.影が不自然にならないよう、調整する。

四隅に色が入っていると切れ目が目立ってしまうので、
上にレイヤーを一枚追加し、ブラシで四隅が白くなるように色を塗ってください。



保存して、Photoshopの作業は終了です。

3.イラストレーターに重ねて配置し、影を乗算にする


1.illustratorに作ったふたつのファイルを配置する。




2.整列などを使って、商品psdの下に影psdがくるように並べる。


3. 「乗算」にする

「ウィンドウ」-「透明」から透明パネルを出し、影画像の描画モードを「乗算」にします。



あとは、影psdの不透明度をいじるだけで、illustrator上で影の濃さを調節できます。

動かしやすいよう、商品と影をグループ化しておくと楽です。


2.影も含めた作り方


配置する画像をひとつにしたい、という場合は、透過した影を商品の下に作ります。

1.影レイヤーと商品レイヤーを作り、商品を切り抜く。



レイヤーマスクなどを使って、商品の切りぬき画像を作ります。

切り抜き終わったら、影が見やすいようレイヤーを非表示にしてください。

2.レベル補正などを使って、影の濃さを調整する。


そのままだと影が薄かったりするので、レベル補正やトーンカーブを使って影の濃さを調整してあげます。
ちょっと濃いめに作っておくと、後で楽です。



3.大まかに影を切り取る


不要な部分を削除します。上に商品画像を乗せるので大体でOK。



4.レイヤーマスク(ベクトルマスク)を追加する。



5.影をコピーし、レイヤーマスクに張り付ける。


Ctrl+Aですべてを選択し、Ctrl+Cで影をコピーします。
ALTを押しながらレイヤーマスクをクリックすると、編集画面に入ることができます。



同じ位置に張り付けたいので、Ctrl+Shift+Vで張り付けてください。
張り付けると白黒画像になります。


6.ネガ反転する


「イメージ」-「色調補正」-「階調の反転」でネガ反転します。





レイヤーマスクは、黒いところが透過し、白いところが残る機能です。
影を反転したので、白いところが黒い影になります。

この時点で、不要な影などがあったらブラシでなぞって調整してあげてください。

影の境界線を強めにぼかしておくと、自然に見えます。



7.元の画面にもどる


レイヤーパネルの何もないところをクリックして、元の画面にもどる。


8.レイヤー全面を影にしたい色で塗りつぶす



そのままだと白色が浮いたりするので、影にしたい色で塗りつぶします。
影に色を付けることもできます。色付きの商品は影に商品の色を入れると、それっぽくなります。

9.商品を表示して、影の濃さなどを調整する。




不透明度をいじったりして、影の濃さを調整します。
薄くするのは簡単ですが濃くするのは手間がかかるため、初めに影を濃いめに作っておくと楽です。

10.完成


Illustratorに配置して完成です。
用途に合わせて、二つの方法を使い分けてみてください。

背景によって影の濃さを調整することが多いので、自分は1の方法を使ってます。


少しでも参考になれば!(=・ω・=)🐾